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2019/11/03

タイのバーバーの仕事っぷりがかっこよかった◎

お休みをいただきタイに行ってきました◎

15年ほど前にも行ったことがあったのですが、経済的な発展や、インフラの整備などもあり、印象が大きく変わっていました。

ファッションを楽しむ若い人が増えたのも印象的で、大きなモールや、個人店の古着屋なども多くできていました。

髪型もタイの男子たちはバーバースタイルが流行っており、だいたいみんな刈り上げてたように思います(MUDAI調べ)

ナイトマーケットをぶらぶらしていた時に青空バーバーを見つけて仕事ぶりが面白く、気がついたら30分くらい仕事を見続けていました。

『より早く正確に正解にたどり着く。』

職人という仕事において、すごく重要な言葉として常に自分の中にあり、彼らの仕事を見て改めてその言葉について考えさせられました。

250バーツ(日本円で約900円)日本にも千円カットはあるのでそれほど衝撃的な値段ではないのですが、客層の違いが新鮮。

オシャレが好きそうな若者たちがどんどんバーバースタイルに仕上がっていく。

すごく合理的なシステムで、ヘアカタログのサンプルを指差し、そのまま仕上げていく。

もしかしたら細かな調整のカウンセリングは切りながら行なっているのかもしれないが見ている分にはコミュニケーションはないように感じた。

カット椅子に座るとまずベビーパウダーを顔にふりかける。細かな髪の毛がつかないように、そのあとシャンプーせずにスプレイヤーでウエットしていく。

あとはブロッキングして一気に仕上げていく。

上から目線で申し訳ないが、クオリティーも高い。(多分僕の方が先輩だから許してください。

プロセスを通してわかったことは、確実に無駄がなく、最短でゴールにたどり着いていること。

もちろんそこには、居心地の良さや、一人一人に合わせて作るなどのパーソナルな対応はあまり感じられないが、限られた時間の中で多くの人を切らなければお金にならないというシンプルな原理の中で鍛えられている強さを感じました。

ヘアスタイルのサンプルも無数にあり、パターンの仕事といえどデザインキャパシティーは広い。

並ぶくらいお客さんを呼べる腕と、広告力があり、ずっと切り続ければきっと売り上げは十分に立つのだろう。

アシスタントもいないのでシンプルに生産性が高く無駄がない。

もちろん諸経費はかかるが、彼らの15分が250バーツということだ。

(楽しそうないい顔で仕事してるところがグッときた。)

より早く正確に正解にたどり着くことを職人としての矜持とするなら、自分の仕事はお客様の正解を一緒に探すことからスタートするのだと改めて感じた。

美容師は職人業?接客業?美容師はヘアデザイナーか?美容師はヘアアーティストか?

様々な解釈があり、今もなお進化し続けていて、多様化し、細分化している美容師という職業。

それぞれの美容師の価値観や求められるものによって様々なポジションがある。

僕がやっている美容師という名前の職業は、お客様一人一人のその時の正解を一緒に探し、生涯に寄り添えるような存在になること。

すごくシンプル。

そのためにはもちろんより早く正解にたどり着く技術も必要だし、お客様一人一人の悩みを引き出すカウンセリング力、それを解決する分析力や、提案力も必要だし、何よりお客様にずっと必要とされるために美容師として日々成長し続けなければならない。

なかなか難しいからこそ楽しい。

職業の名前なんて曖昧で、どうあるべきかも、どうありたいかも自分で決められる。

ハサミとかバリカンとかカラー剤とかパーマ液とか使って目の前の人に喜んでもらえるものを作るっていうことくらいしか決まってない。

都会に憧れを持ち、東京の中心地で美容師になったけど、それが東京であれ、タイ(地元ではありません)であれ、三重(地元は三重です)であっても今はどこでもいい。

僕の大事なお客様たちが多くいる場所が僕が仕事をする場所になりました。

今の自分のお客様に満足していただける仕事ができて、必要とされ続けること。

そして限られた人数にはなると思うけど、これから新たに出会うお客様に見つけた!と思ってもらえる美容師でありたいなと、色々なことを考えさせられた良い旅行でした。

お休みありがとうございました◎

MUDAI